災害への備えと意識を 県警と近大が対策訓練

東日本大震災の発生から10年を迎えるにあたり、近畿大学生物理工学部(和歌山県紀の川市西三谷)と県警は10日、直下型地震を想定した災害対策訓練を行い、災害に対する意識と緊急時での対応力を高めた。

訓練は同日午前10時、中央構造線断層帯で直下型地震が発生し、震度6強の揺れが約10秒続き教職員が建物内に閉じ込められたとの想定で行われた。教職員や一部の学生、県警関係者合わせて約150人が参加した。

緊急地震速報の受信後、教職員はシェイクアウト(安全確保行動)を実施。机の下に入り安全を確保した後、第二駐車場に避難した。同大の消防団員による放水訓練も行った。

県警機動隊員は模擬家屋に取り残された男性を救助。鑑識課の警察犬による要救助者の捜索や岩出署員によるチェーンソーを用い、迅速な救助を見せた。

県警航空隊らは全長16㍍のヘリコプターでホイスト救助を実施。約15㍍上空から機動隊員が降下して要救助者をつり上げて搬送した。

講評で同署の植松勝己署長は「防災に対する備えをして被害を減らすことはできる。防災に強い意識を持ち続けてほしい」、同学部の梶山慎一郎学部長は「備えに100%はないが、多くの学生の参加を促しながら訓練を積み重ねていきたい」と話した。

 

ヘリコプターを使い救助