高野山と熊野を周遊 4月10日~聖地巡礼バス

紀伊半島外国人観光客受入推進協議会(事務局=和歌山県観光交流課)などは、高野山と熊野本宮大社を結ぶ「世界遺産『高野山・熊野』聖地巡礼バス」について、2021年度の運行スケジュールを発表した。利用状況などを踏まえ、6月1日~9月17日は運行しない。

聖地巡礼バスは2017年度から運行しており、ケーブルカーが発着する高野山駅前と本宮大社前を約4時間半で結ぶ。国道371号を走り、高野山駅前―護摩壇山を南海りんかんバス㈱、護摩壇山―本宮大社前を龍神自動車㈱が運行している。

同協議会によると、新型コロナウイルスの感染が拡大する前は訪日外国人観光客の急増により、利用者数が右肩上がりに増加。利用者の約半数を外国人観光客が占める傾向にあり、特に欧米客が多かったという。好調な利用状況は新型コロナの影響により一変。利用者数は19年度の約4000人から20年度は約500人にまで落ち込み、昨年5月~7月上旬は運行を休止。秋に入り、利用状況は少し回復の傾向を見せたが大幅な増加には至らなかったという。

21年度は運行期間を4月10日~5月31日、9月18日~11月23日に設定。一日1往復で、高野山駅前から本宮大社前に向かうルートは、高野山駅前を午前9時45分に出発し、本宮大社前に午後2時22分に到着する。本宮大社前から高野山駅前に向かうルートは、本宮大社前を午前8時5分に出発し、高野山駅前には午後0時10分に到着する。

価格は高野山駅前―本宮大社前が5000円、高野山駅前―季楽里龍神・龍神温泉は2900円、季楽里龍神・龍神温泉―本宮大社前は2500円。子ども(6~12歳)はそれぞれ半額。予約サイト「発車オーライネット」やコンビニなどで予約できる。

本宮大社前から新宮、那智勝浦方面に足を延ばす場合は、熊野御坊南海バス㈱が運行する路線バスの利用が便利。1~3日間乗り放題の「悠遊フリー乗車券」(価格3000円~4000円)があり、窓口で購入できる。事前予約不要。

新型コロナワクチンの接種が始まり、コロナの早期収束が期待される。県観光交流課の板谷吉浩さんは「コロナの収束後は聖地巡礼バスを活用して世界遺産を周遊していただけたら」と話し、にぎわいの回復に期待を寄せている。

バスで世界遺産を巡ろう(協議会提供)

バスで世界遺産を巡ろう(協議会提供)