薬学部キャンパス完成 4月開学へ県立医大
4月に開学する和歌山県立医科大学薬学部伏虎キャンパス(和歌山市七番丁)の竣工式が21日、同キャンパスで行われ、約120人が竣工、開学を祝った。公立大学への薬学部開設は近畿初。同大には医学部、保健看護学部があり、薬学部の開設により医療系総合大学としてのさらなる発展や、中心市街地の活性化などに期待がかかる。
薬学部は6年制で定員は1学年100人。旧和歌山市立伏虎中学校の跡地に誕生する。
医療の現場で活躍できる薬剤師の養成、国際的に活躍できるファーマシスト・サイエンティストの育成を目指す。学部長には太田茂同大教授の就任が予定されている。
建物は地上11階地下1階建てと、5階建ての2棟で構成。延べ床面積は2万6305平方㍍。外観は白と黒を基調とした落ち着いた色調のデザイン。
竣工式には、同大の宮下和久学長兼理事長、仁坂吉伸知事、尾花正啓和歌山市長、県関係の国会議員、県議会議員、医療関係者など約120人が出席した。
宮下理事長は「県内では約200人の薬剤師が活躍しており、薬剤師の役割は広がっている」とし、「地域住民の健康をサポートできる人材の育成も求められるようになっている。薬学部の開設は医療系総合大学として飛躍する絶好の機会。県民の医療に貢献し、世界で活躍できる薬剤師を輩出していきたい」と意気込みを語った。
来賓として出席した仁坂知事は「ここに至るまで多くの方に大変お世話になった。心から喜んでいる。薬剤師になりたいという方が県内にはたくさんいらっしゃる。多くの方に頑張っていただき立派な薬学部に成長していただいたらと思う」と期待を寄せ、尾花市長は「地元和歌山市としても大変うれしく思う。これまでの道のりは決して平坦ではなく、この日を迎えられて万感の思いだ。(薬学部の開設は)地域社会全体の持続的な発展にも大きな影響がある。地域とともに発展していく大学になることを祈念いたします」とあいさつした。
工事の設計は東畑建築事務所・山口建築設計事務所共同企業体(JV)。監理は東畑・岡本設計JV。施工は東急建設・小池組JV(建築工事)。