恐竜の頭骨を再現 地元企業が復元模型寄贈

3Dプリンターを活用して昆虫や恐竜など生き物の模型を制作するアンフィ合同会社(和歌山県紀美野町三尾川、佐々木彰央代表)は、町の教育振興に役立ててもらおうと、ティラノサウルスの実物大頭骨レプリカを同町神野市場の文化センターに寄贈した。

同社の制作物は国内の博物館で展示されるほど、学術的な考証に裏付けされた模型で、同レプリカは全長約150㌢、高さ約90㌢、幅約70㌢の実物大。数台の3Dプリンターを使い、半年間かけて190パーツを出力。質感にこだわった塗装を施し組み立て、完成までに7カ月を要した。

2020年12月に和歌山市民図書館、21年3月に海南ノビノスで展示された後、同センターに寄贈された。

同レプリカのティラノサウルスは、約6600万年前に生存していた最強の肉食恐竜で、上顎と下顎部分が口を開けた状態で展示されている。口の中には、バナナのような円すい形状の太い歯があり、肉を裂くのに適したギザギザの構造が忠実に再現されている。

寄贈式は、同センターの玄関フロアに展示された同レプリカ前であり、東中啓吉教育長から佐々木代表へ感謝状が手渡された。

東中教育長は「寄贈をきっかけに子どもたちの新しい学習になれば」と期待し、佐々木代表は「子どもたちに直接触れてもらうことで生き物に興味を持ってもらい、将来の夢につながれば」と話していた。

感謝状を手に佐々木代表(右から2人目)と東中教育長ら

感謝状を手に佐々木代表(右から2人目)と東中教育長ら