病床使用率など過去最悪 クラスター3件認定
和歌山県内で17、18日にかけて、10歳未満の小学生から80歳代の81人が新型コロナウイルスに感染したことが確認され、県は中学校の運動部など3件のクラスター(感染者集団)を新たに認定した。入院中の患者は312人、うち重症者は41人、病床使用率は84・3%と、いずれも過去最悪を更新し、県福祉保健部の野㞍孝子技監は「新たな感染者をいかに減らすかが大変重要であり、危機感を持って行動するよう、改めてお願いする」と県民に呼び掛けた。
81人のうちすでに感染が発表されている人の濃厚接触者は56人、新規は25人。2人は県外で感染者数にカウントされており、残る79人の住所を保健所管内別にみると、和歌山市が38人、岩出と田辺が各12人、海南、湯浅、御坊が各3人、橋本が1人、県外が7人となっている。
新たに判明したクラスターでは、田辺市上屋敷の外科内科「辻医院」で、すでに発表済みの人を含め職員3人、入院患者4人の計7人の感染が判明し、39例目に認定された。
和歌山市立高積中学校では、男女バレーボール部員と、練習試合をした岩出保健所管内の中学校の生徒計14人が感染し、40例目に認定された。当初は女子バレー部のクラスターとみられたが、同じ体育館で練習する男子部員、他校にも感染が確認されたため、「バレーボール部のクラブ活動によるクラスター」とし、練習試合をした別の中学の生徒らの検査を進めている。
また、和歌山市内で知人宅に集まって会食した6人の感染が分かり、41例目に認定された。
発表済みの陽性者のうち新たに17人が変異株によるものと分かり、変異株の感染者は累計243人となった。
18日時点の直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者数は、県全体で過去最多の24・8人となり、爆発的な感染拡大を示す「ステージ4」の目安25人に迫っている。保健所管内別では、和歌山市が35・4人で最多、次いで田辺が24・7人で、紀南地域でも急速に感染が広がっている。
野㞍技監は「医療従事者に非常に負担がかかっている。いくら病床を増やしても、感染者がこのペースで増えていくと、感染者本人と家族、周りの皆さんの命の保証ができない」と深刻な危機感を改めて表明。
県として外出自粛を要請している紀北地域だけでなく、紀南地域も含めて不要不急の外出は控え、感染予防対策の徹底とともに、集団での飲食やカラオケ、屋内での激しい呼気を伴う運動をしないなど適切な行動をとるよう県民に求めた。