件数、損害額とも減 和市20年火災状況

和歌山市消防局は2020年中に市内で発生した火災の状況をまとめた。発生件数は87件で前年より10件減少し、人的被害は死者が2人増の4人となった一方で、負傷者は4人減の8人、損害額は4966万6000円で1億1127万9000円の大幅減となった。

火災発生件数の内訳をみると、87件のうち建物火災が41件と最も多く、自動車火災9件、その他の火災が37件だった。

焼損棟数は55棟(前年比37棟減)。内訳は、全焼7棟、半焼3棟、部分焼10棟、ぼや35棟だった。建物焼損床面積は896平方㍍(同2259平方㍍減)、建物焼損表面積は98平方㍍(同382平方㍍減)。火災1件当たりの平均損害額は57万1000円、焼損床面積は22平方㍍、人口1万人当たりの出火率は2・46件でいずれも減少した。

地区別では、発生件数が最も多かったのは四箇郷と紀伊の各9件。次いで貴志が6件、和歌浦、西和佐、野崎が各4件だった。

出火原因の上位をみると、「放火(疑いを含む)」が19件で最も多く、2位は「こんろ」の13件、3位は「たばこ」と「たき火」が各10件と続く。「こんろ」のうち天ぷら油によるものが10件あり、料理の際の火の取り扱いには注意が必要となっている。

水をかける、粉末消火器を使うなどの初期消火は、発生87件中51件で行われており、35件で効果がみられた。

住宅火災(共同住宅など含む)21件中、住宅用火災警報器の設置が確認できたのは6件で、さらにこのうち3件は警報器のおかげで大きな火災には至らなかった。

市消防局は、警報器設置を引き続き推進していく。

消火活動に取り組む消防隊員(イメージ)

消火活動に取り組む消防隊員(イメージ)