優先権者の早期決定を IR推進協が知事に要望

和歌山県が進めるカジノを含む統合型リゾート(IR)の誘致を後押ししている任意団体「わかやまIR推進協議会」は1日、県が審査中の2社の事業提案について、選定委員会の意見を尊重し、優秀な計画を示した事業者を優先権者とするよう仁坂吉伸知事に求める決議を行った。

同協議会は昨年7月に発足。県内企業約100社が参加し、IRに関する勉強会開催や国への要望などを続けている。

県のIR事業者公募には、カナダのクレアベスト・グループ、マカオを本拠地とするサンシティグループの日本法人の2社が応募。県は2社の提案を有識者による選定委員会で審査し、ことし春ごろに優先権者を決定するとのスケジュールを示しているが、まだ結果は示されておらず、同協議会は県に早期の決定を促すため、今回の決議を行った。

総会には約100人が出席。白子勝昭代表幹事が「アフターコロナを考えたとき、IRが来なければ和歌山は非常に厳しい経済環境になる。何としても誘致したい」とあいさつし、「(選定委員会の)評価点の高い事業者に早く決めてもらいたい」と訴えた。

同協議会は2社に総会への出席を要請し、サンシティグループ日本法人から大原義勝社長らが出席したが、クレアベスト・グループ日本法人とは連絡がつかなかったという。

サンシティ側は、カジノなどを利用する世界の富裕層にとって訪れたい場所は大都市圏ではなく、地方の魅力がある和歌山だからこそ誘致に自信を持っているなどと説明した。

決議文は「審査会の意見を充分尊重した優秀な計画と、安定した和歌山の財政運営を県民に約束できるようなご判断を、切にお願いする」などとしており、仁坂知事に届ける。

 

県への要望が決議された総会