海南で災害ボランティアシンポジウム
災害ボランティアシンポジウム (海南市社会福祉協議会主催) が20日、 同市下津町下津の市民交流センターで開かれ、 地域住民ら約70人が参加した。 東日本大震災発生直後から現在まで宮城県気仙沼市で支援活動を行っている矢部寛明さん (28) をはじめ、 復興支援ボランティア経験者4人がゲストとして参加し、 パネルディスカッションを行った。
矢部さんは平成20年、 環境問題をアピールしようと、 東京都から北海道へ自転車で旅をしながら 「号外」 を配った経験を持つ。 その際、 東北の人から食事の提供を受けたり、 気仙沼市のホテルで泊めてもらった恩もあり、 被災地でのボランティアを始めるきっかけとなった。
被災地に支援物資を届けたり、 同ホテルの手助けを行ったりした。 臭いなどあまりの状況のひどさに泣きながら作業することもあったという。 矢部さんは 「自分は、 自分がしてきたことを伝えるだけしかできない。 聞いてくれた人に何か感じてもらえれば」 と話していた。
後半は同協議会が主催したボランティアバス (気仙沼市、 那智勝浦町行き) の参加者を招き、 パネルディスカッションを行った。 それぞれ被災地で感じたことを報告したり、 災害ボランティアの大切さを語った。
また、 会場では復興への願いを込めたヒマワリの種 「きぼうのたね」 を300円で販売。 約200個が完売した。 売り上げの全額が、 矢部さんらが行う復興支援活動の費用に充てられる。
講演を聞いた大久保包祐さん (79) は 「大変ためになった。 災害ボランティアの大切さをもっと見直さないといけないなと思った」 と話していた。