ナショナルルートに指定 太平洋岸自転車道

千葉県銚子市から和歌山市加太に至る全長約1487㌔の「太平洋岸自転車道」が5月31日、国の「ナショナルサイクルルート」に指定された。自転車を活用した新たな観光振興や地域活性化が期待されている。

同自転車道は、千葉、神奈川、静岡、愛知、三重、和歌山の6県の太平洋岸を走るルートで、沿線には世界遺産・富士山をはじめ日本を代表する観光地、景勝地が多数ある。

1970年に自転車道整備法が成立したことを受け、同自転車道は73年に整備を開始。長く中断されていたが、東京五輪・パラリンピックを機に、訪日外国人の利用増などを目指すとして整備が再開され、ことし1月には、国がサイクルツーリズム推進策の一環として指定する推奨ルート「ナショナルサイクルルート」の候補となり、審査が行われていた。

ルートの終点となる淡嶋神社前には記念モニュメントが設置されている。1日、大阪市からこの場所を訪れたサイクリストの男性(47)は「和歌山の道は(サイクリング道路を示す)青のラインや矢印が引かれていて、とても走りやすい。海沿いだけでなく山の道も魅力がある」と話した。

指定を受け、尾花正啓市長は「自転車を通じた新たな観光価値の創造や地域創生にもつながるものと大いに期待している」、仁坂吉伸知事は「走行環境、受け入れ環境のさらなる充実を図り、国内外に誇れる『サイクリング王国わかやま』としての地位を確立するよう取り組んでいく」とそれぞれコメントしている。

 

「太平洋岸自転車道」の終点にあるモニュメント(和歌山市加太)