油の海上流出事故に備えて 花王が訓練
花王㈱和歌山工場(和歌山市湊)は9日、南海フェリー桟橋北側と和歌山下津港和歌山第一区洋上で海上への油の流出を防ぐ「オイルフェンス展張訓練」を行い、有事に備えた連携を確認した。
化学物質を扱う和歌山工場では「石油コンビナート等災害防止法」(1975年施行)に基づき毎年訓練を実施。この日は、研修などをした和歌山工場の安全防災員と、展張船の委託業者である島本海運㈱ら約20人が参加した。
訓練では、湾岸作業員が工場排水口から油が流出しているのを発見。薬種畑桟橋から緊急連絡を防災センターに行い、海上災害防止センターとホットラインで消防局に通報(模擬)した。通報により同社和歌山工場の船野知広安全(防災)課長が島本海運に出動要請と安全防災員に出動を命令。安全防災員が巻取機に設置している500㍍のオイルフェンスを広げ、島本海運の参加者が展張船で海上へと延ばし慎重に2地点を結び油の流出を防ぐように囲った。
船野課長は「化学メーカーとして油の流失はありえないが、万が一に備えて被害を最小限にできるよう、訓練を重ねることが大事。スピード感を意識して緊張感を持って訓練ができたので良かった」と話した。