2カ月ぶり景況改善 帝国データ5月県内動向
帝国データバンクによる5月の景気動向調査で、企業の景況感を示す景気動向指数(DI)は、全国が4カ月ぶり悪化の37・5(前月比0・8ポイント減)だったのに対し、和歌山県内は37・4(同0・3ポイント増)と2カ月ぶりに改善したが、先行きの見通しは4カ月ぶりに悪化している。
全国のDIは、10業界のうち「建設」「製造」など8業界が悪化し、木材や鉄鋼など材料の不足、価格高騰による影響がみられる。新型コロナウイルスの緊急事態宣言・まん延防止等重点措置の延長、対象地域の拡大などにより、「旅館・ホテル」「飲食店」など個人消費関連の業種は低水準での推移となった。
業界別のDIは、「建設」が40・0(前月比1・4ポイント減)、「小売」が33・1(同1・6ポイント減)でともに2カ月連続の悪化。「製造」は39・0(同0・5ポイント減)、「運輸・倉庫」は33・7(同0・8ポイント減)で、いずれも4カ月ぶりに悪化に転じた。
県内DIの全国順位は前月の31位から24位に上昇し、近畿2府4県では滋賀に次いで2位。近畿のDI36・2は上回ったが、全国のDI37・5との比較ではわずかに下回った。
規模別では、大企業は23・3(前月比10・0ポイント減)、中小企業は38・6(同1・2ポイント増)。業界別では、製造業が39・5(同0・3ポイント増)、非製造業が36・6(同0・4ポイント増)でともに2カ月ぶりの改善となった。
先行きの見通しは、3カ月後が40・8(前月42・7)、6カ月後が43・1(同43・9)、1年後が44・1(同47・0)で、全ての時点で4カ月ぶりに悪化に転じた。
同支店は「不透明感から県内景況は一進一退の状況が続く」とみている。
調査は5月18~31日にインターネットで行い、対象2万3724社(県内148社)のうち1万1242社(同65社)が応じ、回答率は47・4%(同43・9%)だった。