今こそ歌声届けたい 第九合唱団が夏の演奏会
7月17日に和歌山市民会館で開かれる公演に向け、県第九合唱団(山本光子団長)の練習が大詰めを迎えている。「未来へ繋ぐコンサートⅡ~たった一人のオーケストラ 神田将と共に~」と題し、同市のピアニスト宮井愛子さん、同市出身のバイオリニスト寺下真理子さん、橋本市出身で尺八奏者の辻本好美さんらが出演。世界的に活躍するエレクトーン奏者の神田将(ゆき)さんの演奏で、プロのソリストらと市民の合唱団がフォーレのレクイエムを合唱する。
夏の大合唱は、プロの音楽家の演奏で市民が歌うというスタイルで2001年から毎年演奏会を開いてきた。
新型コロナウイルス感染拡大で、密になるプロのオーケストラとの共演が難しい中、自分たちのできる範囲で活動を続けようと昨年末に第1回目の同演奏会を開催。今回は、1台のエレクトーンでフルオーケストラさながらの演奏をし、「たった一人のオーケストラ」とも称される、神田さんを招き、世界の平和、心の癒やしとなるよう願いを込めてフォーレのレクイエムを選曲した。当日は、約50人の市民が日本合唱連盟のガイドラインに従い、参加者の間隔を空けるなど感染対策を徹底した上で行うという。
26日に同市三沢町の中央コミュニティセンターで行われた練習には、同市の他、橋本市や泉南市などから集まった約40人が参加。ソプラノ、アルト、テノール、バスのパートに分かれ、同合唱団の合唱指揮を行う髙瀬優佳さん指導の下、本番に向けて仕上げの練習を行った。髙瀬さんから「テンポが速いよ」や「セカンドが聞こえない」などと熱の入ったげきが飛ぶ中、美しい歌声を響かせていた。
40年以上前から同団に参加している西岡敦子さんは「レクイエムはこの時期に世界中の人に聴いてほしい曲。コロナ禍ではあるが、ここまでやってこられたのは幸せ」と話し、演奏会に指揮者として立つ瀬さん(58)は、「難しい中だが、歌うことで未来につないでいくという思い。歌でやれることをやっていく」と意気込んだ。
山本団長(82)は、「皆さんに癒やしとなる音楽を届けたい」と話している。
一般3500円、大学生以下の学生2000円(全席自由席)。申し込み、問い合わせは和歌山音楽愛好会フォルテ(℡073・422・4225)。