美しい響きを堪能 改修後のホールで演奏会

音響改修により生まれ変わった和歌山市西高松の県立図書館メディア・アート・ホール(Mah!)のお披露目コンサートが7月31日、同所で開かれ、会場いっぱいに響き渡る美しい音色に、約150人が聴き入った。

同コンサートは本紙毎週木曜掲載の「とらふすクラシック」の200回を記念し、コロナ禍で演奏機会が激減している演奏家への支援コンサートにも位置付け、収益は出演アーティストの活動支援に充てられる。

同ホールは、1993年に開館した全国でも珍しい図書館併設のホール。音楽監督を務める澤和樹東京藝術大学学長監修の下、約4カ月かけ音響改修を実施し、ことし3月に完了した。天井と背面に反射板を設けることで、演奏者や聴衆に包み込まれるような響きを届けられるようになった他、ステージ床の補強により、床から音の振動を感じ取り、演奏者のパフォーマンスが向上する効果も期待されている。

この日は、連載の題字を手掛けた書家・山﨑瀟さんの作品「響」をステージ脇に配し、演奏が行われた。

同市出身の村上真希子さん(ピアノ)が美しいメロディーを奏で、大守真央さんと中川知保さん親子が息の合ったピアノ連弾を披露。岡本万貴さん(フルート)と金谷幸三さん(ギター)のユニット「黒江万金堂」が明るく軽快に演奏し、会場からは大きな拍手が送られた。同市の宮下直子さん(ピアノ)、砂原悟さん(ピアノ)、井岡潤子さん(ソプラノ)も出演した。

約3年前から宮下さんのピアノ教室に通う岡崎莉明さん(10)は「音がすごくきれいだった。どうやったら、あのように指が動くのかな」と新しいホールの音に感動した様子。自宅でジャズやクラシック音楽鑑賞を楽しんでいるという市内の坂東文一さん(83)は「すてきな演奏だった。難しい曲もあり、聴き応えがあった」と笑顔だった。

ピアノ連弾を披露する大守真央さんと中川知保さん

ピアノ連弾を披露する大守真央さんと中川知保さん