パラグライダー事故想定 電力会社ら訓練
関西電力送配電㈱和歌山支社(和歌山市岡山丁、西上宏明支社長)はこのほど、同市毛見の琴の浦訓練場で東消防署(同市鳴神)との合同訓練を実施した。関西電力の送配電部門として同社が昨年4月に分社化して以来、同署との合同訓練は初めて。
訓練には、同社の和歌山電力所から社員10人、同署からは救助隊6人、指揮隊3人が参加。高さ20㍍の鉄塔を使用し、高圧線上に宙づりとなったパラグライダーを救出する想定で行われた。
訓練は同社の社員が講師となり、鉄塔に登る手順を救助隊に伝授するところからスタート。想定訓練では、まず同社の社員らが鉄塔に登り、感電を防ぐための安全措置をした後、署員らがしっかりと安全確認をしながら電線をつたい、パラグライダーの救出作業を行った。
同署の和佐茂雄署長は「こういったケースは起こりにくく少ない現場だからこそ、二次災害を防ぐため、専門家に教わって万一に備えたい」、同電力所の山口広文所長は「しっかりと役割分担をし、お互い安全に業務ができるように努めたい」と話した。
訓練に参加した同社の社員らは「互いの技能や技術力を生かし、協力しながら救助訓練をしたことで、準備や手続き、作業の援助内容が確認できたため、万一の事象に対する備えにつながった」と振り返った。
この2日後にも訓練が行われ、電柱上部で体調不良で動けなくなった作業員をロープや高所作業車を使って救出する想定で行われ、「訓練中、コミュニケーションがしっかり取れていて良かった」など、初回よりもうまく連携できたことに手応えを感じる声が上がった。同社らは今後も継続して合同訓練を重ね、万一の備えを徹底していくという。