100均画家の中山さん ぶらくりで初個展
100円均一の画材で絵を描く、和歌山市の中山忠彦さん(68)の初の個展が28日まで、和歌山市米屋町のぶらくり丁内BLISS(ブリス)ビル1階で開かれている。午前10時から午後5時まで。
中山さんは以前、すし店を経営し、板場に立っていた。3年前に心筋梗塞を患ったのをきっかけに、リハビリにと絵を描き始めた。一日1枚を目標に描いてきた作品が評判となり、知人の誘いで今回初めて個展を開いた。
中山さんは、筆や絵の具、画用紙、額に至るまで全て100円均一ショップで調達している。
周囲の人は親しみを込めて中山さんを「100均画伯」と呼び、中山さん自身は「プロではないから『画伯』は恥ずかしい。『100均』と付くならOK」とにこやかに話す。
今展は、中山さんの作品約80点と中山さんの友人でデジタル画などを手掛けるせゐなさん(25)の作品11点が並ぶ。
風景写真を参考にしながら描いた中山さんの「春山」は、木々の細かい部分まで丁寧に描き込まれている。「100均の絵の具は色の数が少ない」と中山さん。何種類もの絵の具を混ぜて理想の色を作るため、2度と同じ色は出ないが、それもまた面白みの一つだという。
この他、中山さんが水面の波紋にこだわったという作品や、せゐなさんがアクリル絵の具で描いた自画像などが展示されている。
中山さんは「絵は年をとってからでも気軽に始められる。みんなに楽しいよと呼び掛けたい」と笑顔。せゐなさんは「今回の個展が刺激となった。たくさん描いてまたやりたい」と話していた。