加太小中を特認校に 市内全域から通学可
児童・生徒数が減少している地域の小中学校を維持するため、和歌山市は来年4月から、市立加太小学校と加太中学校で、市内全域から希望者が通学できる「小規模特認校制度」を導入する。県内初の取り組みで、24日の定例記者会見で尾花正啓市長が発表した。
小規模特認校制度は、児童・生徒数が減少し存続が危ぶまれる学校で、小規模の良さを生かした「特色ある学校運営」を進める場合に、同じ自治体内の校区外から児童を集めることが認められる制度。全国の山間部や離島などで、学校周辺の自然を教材とした教育などを掲げて導入されている。
和歌山市は昨年11月、市総合教育会議に同制度導入の方針を提案し、検討を進めていた。
加太小は、1977年度の548人をピークに児童数の減少が続き、現在は49人。3・4年生は複式の1学級で、他の学年は全て1学級。加太中の生徒数は76年度の281人が最大で、現在は23人。全学年が1学級となっている。
児童・生徒の減少が加太小中と同様の学校は他にもあるが、南海加太線の沿線に位置し、公共交通機関を利用した通学がしやすいことなどから、両校での導入を決めた。
尾花市長は「自然を生かした体験学習、すぐ近くの青少年国際交流センターで外国人との交流などもあり、少人数できめ細かな指導も受けられる」と両校の特色を話し、制度を利用した転入学の検討を呼び掛けた。
転入学日は来年4月1日。申し込みは11月1日~12月28日で受け付け、先立って加太小で10月19、20日、加太中で15、18日にオープンスクールを行う。募集人数は、各学年がおおむね15人になることを目安とし、詳しい募集内容は後日公表する。
市は、両校での実施状況を踏まえて、他の小規模校での制度導入も検討するとしている。