自然に親しんで 島ものづくり塾クルーズ体験
未来の科学技術の進歩を担う子どもたちを育てようと、公益財団法人島財団(和歌山市本町、大江嘉幸理事長)が主催する「島ものづくり塾」の塾生ら約35人(小学生1~6年生)が25日、特別講義として「和歌浦湾クルーズ」を楽しんだ。
同財団は、島精機製作所(同市坂田)の島正博会長が2019年に創設。今回の企画は、日頃見慣れた周辺の景色を少し視点を変えて海上から眺めることで、塾生らに新しい発見をしてもらおうと島会長自らが発案した。
この日、塾生らは4グループに分かれて2階建てクルーザー「あいらんど号」に乗船。和歌山マリーナシティヨット倶楽部(同市毛見)から出発し、和歌浦湾を約30分かけて巡った。時速45㌔ほどで進むクルージングでは、水しぶきを肌で感じたり、海上から雑賀崎灯台や淡路島などを眺めたりと、五感で楽しんだ。
終戦時、小学3年生だったという島会長は「食べ物がなくなり、海に来てサザエなどを捕った」と当時を振り返り、「今は豊かな時代だけれど、農業や漁業と接する機会が減っている。美しい海や山に恵まれた和歌山で、子どもの頃から『自然を大切にしたい』と思う気持ちを育むためにも、自然に親しむ体験が大切」と話した。
藤戸台小学校1年生の河野紡希(つむぎ)さん(6)は「初めて乗った。水しぶきはびっくりしたけど楽しかった」と話し、箕島小学校4年生の一ノ瀬想悠(そう)さん(10)も「水しぶきは迫力があって面白かった。また乗りたい」と笑顔だった。