刺股で不審者対応 こども園で訓練、寄贈式も

和歌山県の紀美野町立こうのこども園(同町神野市場・小西貴美園長)で18日、不審者対応訓練が行われ、その後、地元の事務所らでつくる職警青(山本佳昭会長)から同園に刺股3本が贈呈された。

職警青は26社の事業所と海南署、海南市、紀美野町の青少年センター連絡協議会で構成。子どもたちや地域の安全を守るため、警察を中心とした活動をしている。

ことし設立50周年を迎えるにあたり、記念事業の一環として海南市内と紀美野町内にある40校全ての保育所・幼稚園(16園)、小学校(15校)、中学校(9校)に合計120本の刺股を寄贈した。

不審者対応訓練は園職員の防犯意識を高める目的で毎年、海南署と連携し実施している。この日の訓練では、0~5歳の園児35人と園職員8人が参加。 ナイフを持った男がフェンスを乗り越え園内に侵入する想定で行われた。

職員3人は長さ2・03㍍の刺股を手に職員らが男を園児の元へ行かせないように、警察署員が駆け付けるまでの間、男を抑え、他の職員は園児を保育室から遊戯室へ避難させた。

訓練終了後、小西園長は「頭では分かっていてもいざ犯人を前にすると落ち着きを失う。犯人を子どもたちの所に行かせないことを第一に考えて訓練していかないといけない」と話した。

その後、行われた贈呈式では山本会長から園長に刺股が手渡された。山本会長は「あってはならないことだが、もし起こった場合に備え、常に見えるところに置いて有効的に使ってもらえたら」と話した。

園は今後も職員のみの訓練も重ねていくという。

刺股で不審者を抑える職員ら

刺股で不審者を抑える職員ら