見るおいしさも「みすゞあられ」

前号では、真田幸村の娘「阿梅姫(おうめひめ)」をイメージして作られた一口大の梅ゼリーを取り上げた。三宝柑や梅など和歌山県の果物を使用したさまざまな商品が販売される中、アラカルト商品の一つにかわいらしく彩られ、歴史ある果物の活躍に未来を感じさせられる菓子がある。今週は「みすゞあられ」を紹介したい。
みすゞあられは、以前取り上げた「みすゞ飴」と比べ乾燥を控えめに仕上げた半生タイプの菓子。乾燥による凝縮が少ないため、みすゞ飴よりも食感が柔らかく、すっきりとみずみずしい味わいが特徴。サイズは飴玉よりも一回り小さい立方体(正六面体)をしており、表面は粉末のオブラートでゼリーの表面をコーティングしている。
ゼリーの部分は果実と寒天、グラニュー糖、水飴で作られている。果実の種類は、三宝柑、梅、あんず、ぶどう、りんご、すももの6種類。食べてみると柔らかい食感に果物の風味が口いっぱいに広がり、甘さ控えめの砂糖の味が上品さを感じさせてくれる。温かい緑茶によく合い、お茶請けにぴったりの菓子。
味わいに加え、見るおいしさを兼ねそろえているのも特徴の一つ。「みすゞかるしなのの菓子」「ずっとかわらない手づくりのやさしい味」の記載と果物それぞれのイラストが配された白い箱と、立方体の小さな菓子が詰め合わされたさまは、現代の若者が手に取りたくなるようなデザインで、歴史ある果物を使った菓子を長く受け継いでいこうとされる気概が感じられる。
商品は飯島商店のウェブサイトから購入できる。30粒入り税込み756円。紀州と信州のみずみずしい果物の味わいをぜひ。(次田尚弘/上田市)