和歌山城ホール開館 式典で緞帳など披露
「和歌山城ホール」が29日、和歌山市七番丁にオープンした。午前に大ホールで記念式典が行われ、市や文化・芸術団体の関係者ら約200人が出席し、文化活動やにぎわいの新たな拠点の誕生を喜び合った。
式典で尾花正啓市長は、同ホールについて「紀州材を取り入れた現代的なデザインと、城下町のたたずまいを踏襲したしつらえを備えた、まさに令和の新時代と伝統が融合した市の未来を象徴する施設となった」とし、「市民に親しまれ、愛され、誇りに思われる施設になるものと確信している」と述べた。
仁坂吉伸知事ら来賓の祝辞、舞台上でのテープカットなどに続き、新しい緞帳が披露され、寄贈した㈱島精機製作所の島三博社長に、尾花市長から感謝状が贈られた。
緞帳の中心には市民を表す黄金色に輝く大木が描かれ、考え描いたものを形にする手が、大きく開いた花として咲いている。木の周囲には、和歌山の美しい海の色を背景に、和歌山城や紀州手まり、ミカンなど、和歌山が誇る産品や文物をアイコンとして散りばめている。
また、歴代の市民会館と和歌山城ホール建設の歩みをまとめた映像が、市消防音楽隊の演奏に乗せて上映され、会場は拍手に包まれた。
式典後、出席者は館内を見学し、紀州材がふんだんに使われた温もりのある空間や、和歌山城を望む屋上庭園からの眺めなどを楽しんだ。