下津第二中に 防災功労者内閣総理大臣表彰

和歌山県海南市の下津第二中学校(同市下津町下、油谷正之校長)が2021年の「防災功労者内閣総理大臣表彰」を受賞した。生徒がボランティア活動に積極的に取り組むことで市民性を身に付け、地域を知り、将来の災害に対応できるよう取り組んでいることが評価された。油谷校長は表彰を受け「大変光栄なこと。市や地域の協力があって頂いた表彰。今後も取り組みを続けていきたい」と話している。

同表彰は災害時における人命救助や被害拡大防止などの防災活動の実施、平時における防災思想の普及または、防災体制の整備の面で貢献し、特にその功績が顕著であると認められる団体または個人を対象として表彰するもの。

同校では東日本大震災を教訓とし、約10年にわたり津波避難訓練や防災学習を積み重ねてきた。2019年度には同市や同市社会福祉協議会、校区の小学生、地域住民、大学生などが参加し、グループワークや在宅避難者に聞き取りや健康観察などを行うなど大規模な防災訓練を実施。

これまでの取り組みを通じ、生徒たちは、地域の一員として災害を自分事と捉えることができたという。校区は山に囲まれ、加茂川も流れていることから、今後も、津波だけでなく、大雨による洪水や土砂災害に備えた訓練も行っていくとしている。

大学生らとのグループワーク(海南市提供)

大学生らとのグループワーク(海南市提供)