不落城・必勝祈願に「真田神社」
前号では、主君が2度変わりながら真田昌幸が築城した「上田城」の歴史を取り上げた。今週は上田城跡にある名所を紹介したい。
上田城の本丸跡にあるのが「真田神社」。真田氏、仙石氏の後にこの地を治めた松平忠晴を祭る神社で創立時は松平神社といった。
廃藩置県により廃された上田城を、旧上田藩士などの有志らが松平氏3代を祭り功績に報いるために動き、同時に、真田氏の活躍を伝える史跡として後世に伝えようという思いもあったという。当時、上田城本丸跡を所有していた個人が境内を寄付し創立が実現。明治10年のことである。
その後、上田城を築城した真田氏や、真田氏の後を受け上田藩を発展させると同時に城の復興にも尽力した、かつての城主らを合わせて祭ることが望ましいとの動きがあり、昭和28年に真田氏と仙石氏、松平氏の歴代城主を合祀し上田神社と改称。上田市内にあった同名の神社と紛らわしいということで、昭和38年に真田神社と名を変え現在に至る。
境内には真田井戸と呼ばれる城内唯一の井戸があり、これには抜け穴があったとされ、真田氏らしさを感じさせられる。また、六文銭をデザインした絵馬や御守りなどが数々販売されている。
これからの時期、買い求める人が増えるのが合格祈願の御守り。徳川からの2度の攻撃を受けながらも落ちることがなかった不落城としての歴史から、御利益を求め、必勝祈願の神事に訪れる受験生も多い。また、上田城跡公園は桜の名所であることから、桜が咲くとの語呂合わせで、桜を配したかわいらしい御守りも存在する。
真田氏をはじめ上田市を発展させた歴代藩主を祭る神社。訪れる機会があれば立ち寄ってほしい。
(次田尚弘/上田市)