還付金詐欺の被害防ぐ 紀陽銀行員に感謝状

特殊詐欺被害を未然に防いだとして、和歌山北署は24日、和歌山市市小路の紀陽銀行紀の川コミュニティプラザの三﨑雅代さんに感謝状を贈った。県内では還付金名目の詐欺が多発しており、同署では注意を呼び掛けている。

同署によると、21日午後3時30分ごろ、同店のATMコーナーに60代の女性が来店。携帯電話で通話をしながら戸惑った様子でATMを操作していたため、居合わせた別の女性客が、すでに窓口営業を終了していた同店に直接電話し、サポートを依頼した。

電話を受けてATMコーナーに駆け付けた三﨑さんが女性に声を掛けて話を聞いたところ、医療費名目の還付金詐欺被害に遭っていることが分かり、上司に報告後、同署に通報したという。

同署で行われた贈呈式で、湊隆弘署長から感謝状を受け取った三﨑さんは、「10年以上の長い行員生活で、こういう場面に出くわすことがなかったので『まさか』と驚いた」と話し、「迷ったときにはATMに備え付けの電話を使ってほしい。何でも気軽に相談してもらえれば」と呼び掛けた。

同店では9月にも別の行員が特殊詐欺被害を未然に防止したとして感謝状が贈られており、湊署長は立て続けの手柄に感謝し、「1件でも減らしたいので、今後もタッグを組んで水際で抑えてもらえるよう協力をお願いしたい」と伝えた。

22日現在、県内の特殊詐欺被害の件数は58件で、還付金詐欺は28件、架空請求詐欺は21件と大半を占める。同署管内の被害件数は13件で、昨年の6件の倍以上に増えている。

感謝状を手に三﨑さんと湊署長㊧

感謝状を手に三﨑さんと湊署長㊧