若手警官の対応力向上 大規模地震災害訓練
17日に阪神・淡路大震災発生から27年がたつのを前に、和歌山西署は14日、和歌山城公園砂の丸広場で大規模地震災害警備訓練を実施。発生の可能性が高まっているとされる南海トラフ地震の発生に備えて、若手警察官らの災害対処能力の向上を図った。
この日は、和歌山市で震度6強の地震が発生したとの想定で行われ、20~30代の警察官を中心に約30人が参加。同署の警備課員や第二機動隊員、女性警察官特別機動隊員の他、刑事部鑑識課員と直轄警察犬のヨハン号も訓練に加わった。
訓練は、地震発生後に現地本部を立ち上げるところからスタート。「民家が倒壊した」との通報を受けた署員らは、現場に駆け付け、倒壊家屋の前に止まっている車を手で押して動かし、交通路を確保した。
その後、ヨハン号が民家周辺で被災者を捜索し、倒壊家屋の中に人がいることを確認。署員らは家屋内の被災者らに「大丈夫ですか」などと声を掛けながらチェーンソーなどの災害用資機材を使って出口を確保し、被災者を救出した。
救出した被災者から車で外出した家族がいることを知った署員らは、近くに止めていた車両内に取り残されている被災者を発見。窓ガラスを割って開錠した後、救出した。
訓練後、県警本部の警備部機動隊員らが倒壊家屋への進入口の選定方法や、被災車両からの救出時に使う資機材の選び方などを講評。
参加した同署地域課の川口貴史巡査長(26)は、「被災者の状況把握と隊員同士の連携で、迅速に救助することが大切だと改めて思った」と話し、「いつ起こるか分からない災害だからこそ、想定訓練を行うことで現場での迅速な人命救助につながるはず」と意気込んだ。