オミクロン株で初の死亡 クラスター4件認定
和歌山県は23日、オミクロン株とみられる新型コロナウイルスに感染していた和歌山市の80代と30代の男性が亡くなったと発表した。オミクロン株感染者の死亡は県内初。22日の新規感染者は過去最多の323人、23日は308人で、週末の2日続けて300人を超えた。新たにクラスター(感染者集団)4件も認定し、爆発的な感染拡大に歯止めがかからない事態となっている。
亡くなった男性2人はいずれも基礎疾患があり、入院していた別々の医療機関で職員の感染が発覚し、接触者として受けた検査で陽性が判明。コロナは直接の死因ではないが、感染による影響があったとみられている。
2日間の新規感染者631人の保健所管内別内訳は、和歌山市398人、海南21人、岩出46人、橋本39人、湯浅32人、御坊30人、田辺48人、新宮15人、県外2人。
新たなクラスターは、116例目が紀の川市貴志川町長原の市立西貴志保育所で、職員1人、園児5人の計6人が感染した。117例目は和歌山市吉原の障害者就労支援施設「マウンテンラブ」で、職員4人、利用者3人の計7人の感染。118例目は和歌山市塩屋の藤民病院で、陽性者は職員2人、入院患者3人の計5人。119例目は白浜町富田の成華苑デイケアセンターで、職員7人、利用者2人の計9人の感染が確認された。
発表済みのクラスターでは、高齢者施設「なごみの郷あゆむ」関係が1人増の18人、和歌山市医師会看護専門学校関係が2人増の14人、向井病院関係が1人増の25人、南白浜ジュニアバレーボールクラブ関係が1人増の9人、高齢者施設「サニーホーム」関係が18人増の34人、ニチイキッズ土佐町公園保育園関係が4人増の9人、和歌山田辺ボーイズ関係が1人増の8人、大塔中学校関係が1人増の9人、宇都宮病院関係が1人増の12人となった。
直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者数は、県全体が186・7人、保健所管内別で和歌山市が303・2人、湯浅が152・9人、橋本が150・2人で、いずれも過去最多を更新した。
県内の感染者は累計7833人、入院者数は507人(うち重症6人)、病床使用率は79・8%、入院待機者は1453人。感染者の急増に伴って救急搬送も増えており、緊急に入院を要する患者に備えて、病床に空きをつくっておく必要がある状態だという。
オミクロン株感染者が死亡したことを受け県福祉保健部の野㞍孝子技監は、「オミクロン株は総じて軽症と思われるが、あなどれない。基礎疾患のある人や高齢者などは要注意だ。感染すると周囲に影響があることを認識し、一人ひとりが予防対策を行ってほしい」と話した。