ばあちゃんの教え世界へ Ruiさん英語版絵本
和歌山市のイラスト作家、Rui(ルイ)さんが2019年に出版した自身4作目の絵本『だいすきだよ。』の英語版『ILoveYou.』を出版した。「世界に発信したい」という長年の夢が形となった同書を手に、Ruiさんは「これでまた一つ、ばあちゃんの教えを伝えられるきっかけができたことが素直にうれしい」と笑顔を見せる。
同絵本は、Ruiさんが今は亡き祖母の千代子さんとの思い出から得た気持ちや、年齢を重ねるごとに重みを増す千代子さんの教えの大切さなどを描いた作品。
主人公ウサギの「りょうま」はウサギの「モネせんぱい」、シーズー犬の「うめばあちゃん」とおばあちゃんの墓参りに行く。おばあちゃんとの思い出を振り返り、亡くなる前に感謝を伝えられなかったと後悔が込み上げて――というストーリー。
千代子さんから教わった思いやりの心や感謝の気持ちを多くの人に伝えたいと、文章とイラストに思いを込めて仕上げた同絵本が、英語に翻訳されて海を越え、世界中の人の心に響くことを願っている。
長野大学の山西敏博教授が翻訳し、同市に住むアメリカ出身のグレッグ・ハドソンさんがネイティブスピーカーとして表現をチェック。文章の配置なども工夫し、より海外の子どもたちが読みやすい絵本に完成させた。
Ruiさんは「英語版の方が子どもに分かりやすい言い回しになっているので、伝えたい思いが伝われば」と話し、ことしは自身も英語の勉強を目標の一つに設定。今後も絵本作りを続けながら、「悩みを抱えている人にもっと寄り添えるような技術をつけていきたい」と意気込む。
その一つとして、新たにユー・チューブチャンネル「うさぎのりょうま心(こころ)チャンネル」を開設。「いじめや不登校、ひきこもりといった自身の体験から学んだことや気付いたことなど、見てくださる人の人生にとっていいヒントになるような動画を発信していきたい」と話し、柔らかなタッチの優しいイラスト動画で〝誰かの心のよりどころ〟となることを目指していく。
36㌻。1650円。アマゾンで購入できる。アメリカ、EU、イギリスのアマゾンでも販売。電子書籍は700円。約10カ国で販売中。詳細はRuiさんのホームページ(http://rui-house.com)。