過去2番目の6044億円 22年度県当初予算案
和歌山県は15日、総額6044億円の2022年度一般会計当初予算案を発表した。予算規模は過去最大だった21年度当初比1・2%減で過去2番目となり、新型コロナウイルス対策費に21年度と同水準の539億円を計上。2年ぶりに歳出と歳入が均衡し、収支不足による基金の取り崩しは行わない。22日開会の2月定例県議会に提案する。
新政策の柱は「新しい世界で飛躍する和歌山」と「飛躍を支える基盤づくり」の二つ。仁坂吉伸知事は「コロナが長期化して大変だが、社会の変化を和歌山の飛躍につなげないといけない。そのための基盤づくりが必要」と述べ、コロナ禍から暮らしと経済を守るとともに、子育て環境の充実やインフラ整備などを進め、デジタルトランスフォーメーション(DX)による県内産業の競争力強化、移住・定住の推進など、コロナ禍を契機とする世界の変化に対応する新たな取り組みへの挑戦を打ち出している。
歳 入
県税収入などの自主財源は前年度比6・6%減の2372億円で、全体の39・2%。依存財源は3672億円。
自主財源のうち県税収入は6・2%増の958億円で、前年度はコロナ禍の影響を厳しく見積もっていた法人二税が216億円(前年度166億円)とコロナ禍前の水準に回復する見込みとなったのが要因。依存財源は、県税収入の増加などに伴い、地方交付税と臨時財政対策債を合わせた実質的な地方交付税が4・7%減の1879億円となっている。
県債発行額は前年度と同水準の553億円で、県債依存度は0・1%増の9・2%。県債残高は22度末で過去最大の1兆916億円となる見込み。地方交付税で措置される臨財債を除くと、県民1人当たり78・7万円の借金となる。
2年ぶりに財源不足は発生せず、貯金に当たる県債管理基金と財政調整基金からの取り崩しはなく、22年度末残高の合計は209億円を見込んでいる。
歳 出
義務的経費は前年度比2・0%減の2228億円で、歳出全体の36・9%を占める。うち人件費は、教職員定数の削減などにより0・5%減の1356億円。県債の返済などに充てる公債費は、決算剰余金などを使い21年度中に繰り上げ償還を行うため、5・9%減の678億円となっている。
政策的経費のうち建設事業費などの投資的経費は3・3%減の1030億円。内訳をみると、普通建設補助事業は、南紀・はまゆう支援学校の再編整備の減少などで5・5%減の569億円。普通建設単独事業は0・2%増と前年度並みの242億円。直轄負担金は、すさみ串本道路や有田海南道路の整備費などで15・3%増の148億円となっている。
地方消費税の引き上げによる増収分115億円は全て社会保障費に活用される。63億円は自然増などへの対応に充てられ、42億円は幼児教育の無償化などの子育て支援、低所得者の介護保険料・国民健康保険料軽減といった充実のために充てられる。