クラスター過去最多6件 新たに317人感染

和歌山県は14日、新型コロナウイルスに感染した和歌山市の90代男性が亡くなったと発表し、県内の死者は累計82人となった。新規感染者は317人で、前週の同じ月曜より83人少なく、1月31日以来14日ぶりに300人台まで減った一方、新たなクラスター(感染者集団)は一日当たりで過去最多の6件を認定。県福祉保健部の野㞍孝子技監は「(感染拡大の)ピークが先週くらいだった可能性はあるが、まだ高止まりしている」との認識を示した。

亡くなった90代男性は、かかりつけ医で陽性判明後、自宅で抗ウイルス剤の投与などの治療を受けており、県への入院要請はなかった。

317人の保健所管内別内訳は、和歌山市145人、海南12人、岩出39人、橋本41人、湯浅29人、御坊20人、田辺25人、新宮5人、県外1人。

新たなクラスターは、188例目が海南管内の特別養護老人ホームで、職員4人と入所者7人が感染。189例目は田辺管内の通所介護事業所で、陽性者は利用者8人。190例目は特別支援学校で生徒4人と職員5人が陽性となったが、県は学校の特定につながるとして、どの保健所管内かは明らかにしなかった。

191例目は田辺管内の幼稚園で園児7人が感染。192例目は橋本管内の児童福祉施設で児童5人の陽性を確認。193例目は和歌山市のグループホームで、職員5人と入所者4人が感染した。

直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者数は、県全体が355・6人。保健所管内別では橋本456・7人、湯浅347・2人が過去最多を更新した。

県内の感染者は累計1万7839人、入院者数は429人、重症者は県基準で61人、国基準で7人。病床使用率は68・9%、入院待機者は3441人。

野㞍技監は、集団に感染が持ち込まれると再び感染が拡大する恐れがあるとし、高齢者や基礎疾患のある人は特に、症状が軽微でもすぐに受診し、周囲の家族らも感染予防対策を徹底するよう求めた。

「感染はまだ高止まり」と野㞍技監

「感染はまだ高止まり」と野㞍技監