児童虐待の相談増など 子どもに関するシンポ

和歌山信愛大学(和歌山市住吉町)の「わかやま子ども学総合研究センター」は5日、同大で児童虐待やいじめ、不登校など子どもに関する諸問題をテーマにしたシンポジウムを開き、一般参加者ら約50人が耳を傾けた。

同センターは2019年に創設。子どもたちが抱える課題の解決に向け、教育や福祉などの現場で子どもと関わる人たちと協働的な関係を築きながら、総合的に研究推進することを目指している。

創立当初からシンポジウムの開催を予定していたが、19年度は台風、20年度は新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止。初開催となったことしは、感染拡大防止対策としてZoom(ズーム)を活用して行い、参加者らは別室に用意した会場やオンラインで視聴した。

シンポジウムの冒頭、同大の森田登志子学長シスターが、「今後の子どもの教育に役立てていきたい」とあいさつし、同センターの桑原義登センター長が「最近の社会情勢と子どもの問題」をテーマに基調講演した。

桑原センター長はこの30年間で子どもの数は減少する一方、県内の児童虐待の相談対応件数は約100倍にまで増加したことなどを紹介し、「科学が発展して便利になると協働的な社会体験が減少し、対人関係で〝こころ〟を使わなくなる」などと指摘した。

その後のシンポジウムでは、同センターの特別研究会員4人が登壇し、「最近の子どもに関わる問題の現状と課題~教育と福祉の現場からの報告~」をテーマに、それぞれの立場から最近の子どもたちが抱える問題や課題などを伝えた。

 

各現場から見えた問題や課題を意見交換