週末の感染500人超 医師のクラスター認定

和歌山県が2、3日の週末に発表した新型コロナウイルスの新規感染者は534人で、前週の同じ土・日曜に比べ238人の大幅な増加となった。クラスター(感染者集団)が相次ぎ、新たに6件を認定。うち2件は医師の送別会で発生し、別の2件は感染の可能性がある人が特定できないとして、原則非公表に方針を変えた2月8日以降初めて、クラスターの施設名を公表した。

2日の新規感染者274人の保健所管内別内訳は、和歌山市134人、海南3人、岩出27人、橋本22人、湯浅18人、御坊16人、田辺43人、新宮10人、県外1人。

新規クラスターは4件で、274例目は湯浅管内の保育所で園児1人と職員4人が感染した。

275、276例目はいずれも3月26日に和歌山市内の別の飲食店で開かれた医師の送別会。275例目は県内二つの公立病院を含む県内外15医療機関の医師35人(うち県内27人)が参加し、20代1人、30代4人の計5人が感染した。276例目には県内2病院の医師13人が参加し、20代5人の陽性が判明した。県内で医師のクラスターが発生したのは今回が初めて。

277例目は田辺市湊の飲食店「LEGEND(レジェンド)」で、従業員2人と利用客6人が感染。県は3月26日に同店を利用した人に、保健所への連絡を呼び掛けている。

3日の新規感染者260人の保健所管内別内訳は、和歌山市137人、海南4人、岩出27人、橋本36人、湯浅14人、御坊8人、田辺30人、新宮3人、県外1人。

新規クラスターは2件。278例目は田辺市湊の飲食店「ドルフィン」で、従業員4人と利用客2人が陽性となった。県は3月26、27日の利用客に、保健所への連絡を呼び掛けている。279例目は岩出管内の保育所で、園児5人の感染が確認された。

直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者数は、3日時点の県全体が166人で、前日より12・8人増加した。

県内の感染者は累計2万9113人。入院者数は184人、重症者は県基準で6人、国基準では該当者なし。肺炎患者は22人、病床使用率は30・8%、ホテル療養を含む待機者は1102人。

県福祉保健部の野㞍孝子技監は、医師のクラスターを受けて、「リスクの高い行動という認識があり、各医療機関が集まりを自粛するよう呼び掛けているにもかかわらず、非常に残念」と述べ、歓迎会など集団での飲食やマスクを外しての会話が弾むような機会を控えるよう、改めて呼び掛けた。