春の栄誉、県内29人 危険業務従事者叙勲
警察官や消防職員など危険性の高い業務に従事した功労者に贈られる第38回危険業務従事者叙勲の受章者が29日に発令される。和歌山県関係の受章者は、県が上申した6人と中央省庁などで選考された23人の計29人(全て男性)。県関係の受章者総数は累計で1009人(うち女性10人)となる。
晴れの受章者は次の皆さん。
【瑞宝双光章】
大杉一夫(61)元1等陸尉、和歌山市湊通丁南▽小野田史典(68)元和歌山市消防司令長、愛媛県松山市星岡▽梶德親(73)元県警部、有田市箕島▽坂本等(73)元県警視、白浜町才野▽左近建(73)元県警部、新宮市三輪崎▽菅原正三(73)元大阪府警視、橋本市胡麻生▽長田耕一(73)元県警部、和歌山市府中▽永春泰三(73)元県警視、田辺市本宮町大居▽中村茂夫(67)元和歌山市消防監、同市下和佐▽三嶋章正(73)元県警部、湯浅町吉川▽山出増雄(73)元県警部、新宮市蜂伏▽山本哲久(73)元県警部、日高町比井
【瑞宝単光章】
上道正夫(73)元県警部、和歌山市西高松▽江川八起(65)元海上保安官、印南町島田▽大野寛(73)元県警部、和歌山市神前▽大原豊(66)元橋本市消防司令、同市学文路▽岡谷昌宏(65)元海上保安官、上富田町市ノ瀬▽栗栖道典(73)元大阪府警部、和歌山市六十谷▽清水和廣(73)元県警部、同市黒田▽水主義人(73)元県警部、海南市大野中▽髙垣秀行(65)元有田川町消防司令、同町吉原▽津田敏行(73)元県警部、和歌山市冬野▽林耕司(73)元県警部、同市湯屋谷▽平久保利則(73)元県警部、同市中島▽廣田芳三(70)元海南市消防司令長、和歌山市吉田▽堀井健一(73)元県警部、同市岩橋▽宮本弘一(67)元田辺市消防司令、同市上の山▽山田孝行(73)元県警部補、新宮市三輪崎▽山本耕三(65)元海上保安官、白浜町堅田
【瑞単】元県警部
林 耕司さん(73)
~和歌山市湯屋谷~
「正義」胸に任務遂行
1969年8月、2年間勤めた一般企業を退職し、20歳で警察官の道に踏み出した。警察学校を卒業後、東署管内の交番に勤務していた時、交番の前を偶然通り掛かったのが、50年以上も連れ添う妻の恵子さんだった。高校の同級生で、学生時代から思いを寄せていた恵子さんとの再会は、後に40年続く警察官人生においてもなくてはならないものとなった。
2009年3月、60歳で鉄道警察を退職するまで、駐在所や生活安全課(当時は防犯少年課)、覚せい剤の捜査を行う生活保安課など、さまざまな職務を担ってきた。
「周りから『顔つきがきつくなった』と言われるほど仕事に追われていた」と振り返る日々の中、「正義」という好きな言葉を胸に、職務にまい進。中でも、橋本と高野山での駐在所勤務では、「地域の人が歓迎してくれ、家族のように大事にしてくれた」と話し、今でも夫婦の大切な思い出となっている。
現在は、山口地区の老人会の活動に精を出すなど、地区の人と関わる機会が多い。元警察官ということが地域の人たちへの信用につながるなど、警察官人生が第2の人生を豊かにしてくれていると感じている。受章に際し、改めて「警察官はいい仕事やな」と思うと同時に、これまで支えてもらった恵子さんに「ありがたい」と感謝する。