コロナ続き回復せず 21年県内観光客横ばい
2021年に和歌山県内を訪れた観光客総数(速報値)は約2487万9000人(前年比0・4%増、19年比29・8%減)で、20年とほぼ同水準にとどまった。史上最高だった19年の約3543万3000人から、20年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で一転して約2478万4000人に減少。感染拡大と小康状態が繰り返し訪れるコロナ禍はいまだ収束の見通しが立っておらず、21年も回復には至らなかった。
県によると、21年の観光客総数のうち日帰り客は約2149万6000人(前年比0・2%減、19年比28・2%減)、宿泊客は約338万3000人(同4・3%増、38・5%減)。特に渡航制限による外国人宿泊客の減少は前年に続いて大きく、前年比87・7%減の約5500人泊にとどまった。
県内7カ所の主要観光地の入り込み状況をみると、前年比で最も落ち込みが大きかったのは田辺市本宮町で、観光客総数は28・5%減の95万6647人。次いで同市龍神村の総数が18・8%減の28万7725人だった。
その他の主要観光地の総数は、和歌山市465万2524人(前年比4・1%増)▽高野町118万3189人(同1・9%減)▽旧白浜町245万5996人(同3・5%増)▽那智勝浦町89万2248人(同7・1%増)▽旧串本町114万4101人(同0・4%減)――となった。
外国人宿泊客数は、過去最高を記録した19年の50万1844人泊から2年続けて激減し、シェア48・2%のアジアは前年比91・3%減、シェア38・1%の欧米豪は同82・7%減。市町村別では、最も多かった和歌山市でも同82・3%減の2292人泊にとどまった。
21年は、ゴールデンウイークや7月下旬から9月末にかけて、緊急事態宣言の発令や県民への外出自粛要請などにより観光需要は低迷。6月以降に実施した「わかやまリフレッシュプラン」の効果もあり、年末にかけて観光客数はやや持ち直す傾向となったが、通年では微増に終わり、新型コロナの深刻な影響が続いた一年だった。