精巧な「甘い芸術」並ぶ シュガーアート展

和歌山市のシュガーアート教室「ル・シュクリエ」の10周年を記念した初の作品展が22日まで、同市満屋のギャラリー&カフェAQUA(アクア)で開かれている。

シュガーアート(クラフト)とは、砂糖でできた手工芸品のこと。食用色素で色を付けるなど、食べられる素材でできているのも特徴。

同教室の講師を務める鎌田千香子さん(53)は、国内最大規模の製菓コンテストで2度の優勝に輝いた他、世界大会での優勝経験もある。2011年に同教室を開き、シュガーアートの魅力を伝えている。

今展では、同教室の小学3年から67歳までの生徒20人と、鎌田さんが講師を務める大原簿記法律&美容製菓専門学校和歌山校の学生13人の作品を展示。

鎌田さんは「作品を通して気持ちが伝わるのがシュガーアートの魅力の一つ」と話し、生徒の作品にはそれぞれの世界観が表現されている。

イチゴが大好きな従兄弟に贈る、テーブルセッティングのシュガーアートには、イチゴのケーキやジャムがずらり。砂糖の甘い香りと一緒に、相手に喜んでほしいという温かい気持ちが伝わってくるよう。森の演奏会をテーマにした作品では、クマやキツネが楽しそうに音楽を奏でる様子を表現。「もしも小人になったら」と想像を膨らませたシュガーアートでは、よく見ると葉っぱの小舟で小人が釣りをしているなど、360度どこから見ても楽しめる作品ばかり。中には2年かけ、線一本一本にまでこだわり抜いた繊細な作品も並ぶ。

シュガークラフトを見るのは初めてという中村和代さん(67)と小谷ひとみさん(67)は「お砂糖でできているとは思えないくらい繊細で色もきれい。本当に一生懸命作ったのが伝わってくる」と感動。鎌田さんは「細部にまでこだわった作品なので、一つひとつじっくり見てほしい。楽しく作品づくりに取り組む教室の10年間を感じてもらえれば」と笑顔で話している。

午前10時から午後5時(最終日は3時半)まで。

問い合わせは同ギャラリー(℡073・463・4640)。

作品と講師の鎌田さん

作品と講師の鎌田さん

 

細部にまでこだわった作品がずらり

細部にまでこだわった作品がずらり