声掛けで詐欺被害防ぐ コンビニ店員に感謝状
特殊詐欺(架空請求)被害を未然に防いだとして、和歌山東署は24日、和歌山市のファミリーマート和歌山里店のパート従業員、一山恵さん(43)に感謝状を贈った。
同署などによると、4月16日午後8時45分ごろ、同店を訪れた60代の男性から「プリペイドカードはどこですか」と聞かれた一山さんは、男性がメモを手にしていたことから不審に思い、購入理由を質問。「何に使うかをしゃべらないでくれって言われた」と話したため、特殊詐欺を疑ったという。
一山さんが詳しく事情を聞くと、男性がパソコンを使用中、故障を知らせる画面表示に切り替わり、記載された電話番号にかけたところ3万円分のプリペイドカードの購入を指示されたという経緯だったことから、特殊詐欺を確信して同署に通報した。
同署で行われた贈呈式で左向伸次署長は「日頃から詐欺が多いという認識を持って仕事をし、勇気を持って声を掛けていただいたおかげで未然に防ぐことができ、本当にありがたい」と感謝状を手渡した。
一山さんは「平凡な主婦が社会に貢献できたことをうれしく思っています」と話し、「地域の方々とコミュニケーションを取れるよう接客を頑張っているので、これからもお客さまが気持ちよく来店できるよう心掛けたい」と意気込んだ。
左向署長は近年、急増している特殊詐欺被害を防止するため、「市民の皆さんには、すぐに行動に移さず、家族や警察を含むさまざまな機関など、誰かに相談していただければ」と注意を呼び掛けている。