全員入院には戻さず 自宅待機者減で知事
和歌山県内の新型コロナウイルスの感染状況で、入院せず自宅などで待機している人数がコロナ対応病床数を下回っている現状について、仁坂吉伸知事は23日の定例記者会見で、以前の全員入院の対応に戻すことはせず、現状の対応を続ける考えを示した。
県は第6波の急激な感染拡大が起こる1月中旬まで、感染者の全員入院体制を全国で唯一維持していた。今月22日時点でコロナ病床数588に対し、入院中の患者は39人、待機者数は397人で、待機者よりも病床数が多くなっている。
全員入院に戻す考えはないか問われた仁坂知事は、感染力は強い一方、重症化リスクは小さいなどのオミクロン株の特徴を踏まえ、「いま全員入院を無理やりやってもあまり効果はないと思うし、数日で(病床が)埋まってしまうことになる」と述べた。
病床は、症状が重い人、悪化の恐れがある人などのために確保を続けており、その他の人は自宅療養で経過観察を行う現状の方法で良いとの考えを示した。
県内の感染状況については、減少しているものの、無症状の感染者が多いことなどから、「基本的な感染防止対策などは注意しておいてもらった方がいい」と話した。