架空の旅で交流 イタリア総領事が雑賀崎小へ

在大阪イタリア総領事のマルコ・プレンチペ氏が8日、和歌山市西浜の市立雑賀崎小学校(奥村孝校長)を訪問。特別授業を行い、イタリアの魅力を伝えた。

雑賀崎は町並みが同国の景勝地アマルフィと似ているとされ、2019年にはアマルフィ市の市長が同地を訪れるなど、親交を深めている。

昨年12月には、プレンチペ氏が初めて同地を訪れ、旧雑賀崎小学校跡に誕生した憩いの場「レモンの丘」にアマルフィ特産のレモンの木を植樹。この時の盛大な歓迎に感動したプレンチペ氏からの依頼を受けて、今回2回目の訪問と特別授業が実現した。

この日も、同校の児童や雑賀崎幼稚園の園児らがイタリア語で「ようこそ雑賀崎へ」などと書いた旗や横断幕を手に盛大にお出迎え。プレンチペ氏は「愛があふれる大歓迎に胸がいっぱい」と笑顔で感謝を伝え、代表児童が今後、総領事館に来られる機会をつくりたいとも話した。

4~6年の児童ら22人を対象に行った特別授業では、イタリアの魅力が伝わる二つの動画を用意。自身が子ども時代によく過ごしたという自然豊かな山々や、「イタリア人にとってすごく大切な場所」という広場をテーマにした映像を見せ、児童らと共に短い〝架空の旅〟に出掛けた。

プレンチペ氏は「親戚のおじさんと思って気軽に質問してほしい」と伝え、児童らはイタリアの魚や動物などについて積極的に質問した。授業後、プレンチペ氏は児童らにイタリアの地図をプレゼント。児童からは感謝の気持ちを込めて、雑賀崎の魅力を描いた絵やくす玉が贈られた。

プレンチペ氏は「いつかイタリアを訪れた時、小学生の頃に私と“架空の旅”に行ったことを思い出してもらえれば」と願いを込めた。

同校5年の大峯魁斗(かいと)さん(10)は「日本みたいな自然がいっぱいあって、いつかイタリアの山を登りたい。池で泳いだり、広場に行ったり、ピザを食べたりもしたい」と笑顔で話していた。

特別授業でイタリアの魅力を伝えるプレンチペ氏

特別授業でイタリアの魅力を伝えるプレンチペ氏