春の嵐で各地に被害 5人負傷、空き家倒壊

 日本海で発達した低気圧の影響で全国的に春の嵐が吹き荒れた3日、 県内各地で被害が発生した。 和歌山市内で最大瞬間風速40㍍以上を記録し、 強風による転倒で5人が重軽傷を負った他、 建物の倒壊や停電、 交通機関の乱れなどが相次いだ。

 強風は、 和歌山市加太の友ヶ島で午後1時15分ごろ、 最大瞬間風速41・9㍍を記録。 同市男野芝丁でも1時半ごろに34・0㍍を観測した。

 負傷者5人のうち4人が同市在住。 午後2時15分ごろ、 島橋北ノ丁の女性(87)が自宅の庭で強風にあおられて転倒し、 右太もも骨折の重傷。 1時50分ごろには、 田尻の男性(47)が田んぼの小屋の修理に出掛けた際、 強風で転倒し手に軽傷。 野崎と松江でも各1人が軽傷を負った。 また、 有田市の女性(84)が右足を骨折した。

 海南市船尾では、 午前9時20分ごろから1人が海南保健福祉センターに自主避難していたが、 午後4時半ごろに帰宅した。

 和歌山市新和歌浦では、 午後2時ごろに木造2階建ての空き家が倒壊し、 隣の家に倒れ掛かったが、 けが人はなし。 同市禰宜の高積神社付近では、 倒木が道をふさぎ、 通行できなくなった。 岩出市曽屋では小屋が倒壊したが、 すでに撤去されている。

 強風による飛来物で電線が切断されるなどし、 各地で停電も起こった。 和歌山市内では午後1時30分ごろから栄谷、 市小路、 塩屋、 和歌浦など1820軒で発生し、 午後5時50分ごろに全面復旧した。

 交通機関にも影響が出た。 JR紀勢線は、 昼過ぎから南部―御坊、 湯浅―海南、 串本―和深、 周参見―白浜の各区間で一時運転を見合わせ、 特急6本、 普通電車10本を運休。 約4100人の足に影響した。

 和歌山―徳島間を結ぶ南海フェリーは、 3日の上下全16便と4日早朝までの4便の計20便を欠航した。