CAが県職員を兼業 ジオパークなど魅力発信
全日本空輸㈱(ANA)の客室乗務員(CA)が今月から、和歌山県庁職員として県内への移住と兼業を始めた。広報業務支援員として、南紀熊野ジオパークやプレミア和歌山(優良県産品)など、和歌山の魅力を全国に発信する業務を担う。
コロナ禍による航空需要の大幅な減少などを背景に、ANAは従業員が働く場所や時間を制約なく選択できる取り組みを進めており、県からの兼業の提案に応募があった。
県庁での兼業を始めたのは、石澤藍さん(28)ら2人。来年3月までの会計年度任用職員としての採用で、CAとして国内外へのフライト業務などの合間を縫って、県職員の仕事をする。
石澤さんは和歌山市内に移住し、環境生活部のジオパーク室に配属された。特徴的な地質と景観で紀伊半島南部の10市町村にまたがり、ユネスコの世界ジオパーク認定を目指している「南紀熊野ジオパーク」の魅力発信に取り組む。
もう一人は商工観光労働部の企業振興課に配属され、プレミア和歌山や地場産業製品の情報発信の業務を担当する。
1日、辞令を交付した下宏副知事は、「県職員と違う目で業務を見てもらうことが大事。まずジオサイトに行って、話を聞いて、現場を知ってもらいたい」と期待を寄せた。
石澤さんは大学時代に観光を学び、地方創生に関心を持ってきた。初めて住む和歌山は、ミカンや豊かな自然、世界遺産の高野山・熊野古道のイメージがあるとし、関西国際空港からのアクセスの良さも全国に伝えたいポイントに挙げる。
「移住を楽しみにしてきた。改めて良い所だと感じている。多くのお客さまに接する仕事をしてきたので、年齢層に関係なく、幅広く和歌山の魅力を全国に発信していくことに、これまでの学びや経験を生かしたい」と意気込んでいる。