駆除害獣に合掌 海南常行寺で施餓鬼法要

駆除したイノシシなどの害獣を供養する「施食会法要(駆除害獣の供養)」が16日、和歌山県海南市下津町大崎港の常行寺(谷上昌賢住職)で行われた。

農地を守るための取り組みを行う、中山間大崎集落(植田栄代表)が、農作物を食い荒らすイノシシなどの害獣をやむを得ず駆除することに心を痛め、2010年から毎年盆に供養を行っている。

谷上住職が「浄土三部経・仏身観」を唱え、参列した同集落の役員ら6人が順番に焼香。駆除した害獣に手を合わせた。

谷上住職は、「害獣も生きるために畑の作物を食べる。人が生きるためにやむを得ずもらった命に対し供養したい」と話した。植田代表(79)は「駆除とはいえ胸が痛むこと。住職に供養をしてもらい、気持ちが落ち着く」と安堵(あんど)した。

 

谷上住職㊧の話を聞く役員ら