新規感染は537人 減少傾向も受診遅れ増加
和歌山県が5日に発表した新型コロナウイルスの新規感染者は537人(うち見なし陽性11人)で、前週の同じ月曜に比べ378人減少し、感染者は累計12万人を超えた。70~90代の6人の死亡が確認され、死者は累計222人。新規クラスター(感染者集団)の認定は2件だった。
新規感染者の保健所管内別内訳は、和歌山市270人、海南24人、岩出71人、橋本32人、湯浅30人、御坊21人、田辺68人、新宮21人。
亡くなったのは、和歌山市の80代女性2人と90代女性、新宮管内の70代男性、海南管内の80代男性と70代男性。90代女性を除く5人は、新型コロナが直接死因となった。
新規クラスターの場所と感染者数は、640例目が湯浅管内の病院で入院患者6人と職員1人、641例目は田辺管内の特別養護老人ホームで入所者10人と職員5人だった。
直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者数は、県全体が前日比40・9人減の732・9人で、12日連続で減少した。
県内の感染者は累計12万405人。入院者数は276人、重症者は県基準で60人、国基準の該当者は6人、肺炎患者は80人。病床使用率は50・6%。自宅やホテルでの療養者は6619人。
県福祉保健部の野㞍孝子技監は、感染者数の減少を「下降傾向で望ましい」と述べた一方、受診の遅れにより、基礎疾患のある人などが悪化した状態で把握される事例が増えていると指摘した。
背景の一つに「見なし陽性」の誤解もあるという。本来は、陽性者の同居家族で症状がある場合、医師が検査なしで陽性者として扱う場合を指すが、受診せずに自分で陽性だと判断し、経過観察も受けないため、症状が悪化して初めて受診したり、いきなり救急搬送されたりする事例がみられる。
野㞍技監は、早期受診の大切さを改めて呼び掛けた。