宮井愛子さん 城ホールでピアノリサイタル
5大ピアノソナタに感謝の思いを込めて――。昨年度の、和歌山市文化奨励賞に輝いた同市のピアニスト・宮井愛子さん(40)のピアノリサイタル「不屈のベートーヴェン~5大ピアノソナタに挑む」が10月10日午後2時から、和歌山市七番丁の和歌山城ホール・小ホールで開かれる。宮井さんは「聴いてもらうことが自分の一番の力になる。会場で生演奏をぜひ味わい、音楽を好きになってもらえれば」と来場を呼び掛けている。
宮井さんは同市出身。5歳からピアノを始め、県高校ピアノコンクール第1位・教育長賞を獲得。京都市立芸術大学音楽学部卒業後、2015年にFUGA国際音楽コンクール優秀者最終選考会で金賞、プリミエ賞(アーティスト部門最優秀賞)、スープリーム賞(ピアノ部門最優秀賞)の各賞を受賞。ピアニストとして、和歌山市民オペラ協会の公演やソロリサイタル、市交響楽団の演奏会など同市を拠点に幅広い演奏活動を続けている。
コンサートは、同ホールの開館1周年と市文化奨励賞受賞を記念して開催。宮井さんは「和歌山に育ててもらったという思いが強い。いつも応援してくれている皆さんのおかげ」と笑顔で話す。
人間の喜怒哀楽を音楽でエネルギッシュに表現したベートーベン。宮井さんは「演奏するということは、自分自身に向き合うこと」と話し、自らも新しいステージに挑むという思いを込めて、不屈の精神を持つベートーベンの5大ピアノソナタに初挑戦する。
1部では、明るく躍動感ある曲調から始まる「ワルトシュタイン」を皮切りに、人間的な感情をダイレクトに表現したロマン派音楽の原点ともされる「悲愴」、ベートーベンの代表曲の一つ「月光」を演奏する。
2部は、嵐を意味する「テンペスト」と、ダイナミックな表現が特徴の「熱情」を届ける。「熱情」は宮井さんが幼い頃から憧れていた曲。ベートーベンが旋律の中に込めた人間の喜怒哀楽を、力強い音に乗せ、表情豊かに披露する。
チケットは全席指定2000円。当日はプラス500円。3歳未満は入場不可。チケットは同ホールや県民文化会館などで販売中。
問い合わせは同ホール(℡073・432・1212)。