研修やシステム対応 メール誤送信続発で県

和歌山県職員のメール誤送信による個人情報の漏えいが相次いだことを受け、仁坂吉伸知事は17日、再発防止の対処方針を発表した。知事部局の全職員を対象に動画視聴による緊急研修を行い、レポートを作成させる他、パソコン起動時に注意メッセージが表示されるなどシステム上の対応も行った。

県によると、職員による個人情報漏えい事案は、2019年度の4件、20年度の2件に対し、21年度は14件、22年度はすでに15件と急増。中でも、メールの一斉送信時に名前やアドレスが他の人に分かる状態になっていたなど、メールに関するミスが21年度6件、22年度8件に上っている。

ミスがあった事案の調査から、日常はSNSの利用が中心で、メールを使っていない若手職員の知識不足が原因だったものが多いことが分かったという。

緊急研修の動画は2本を用意。一つは個人情報の取り扱いに関する全体的な内容、もう一つは、名前やアドレスが他の人に分からないようにするBCC設定など、情報漏えい防止のためのメール操作のポイントなどを扱っている。

動画視聴後のレポートは、情報漏えい防止の観点から、各職員が自身の業務で気を付けるべき点などを具体的にまとめることで、意識の向上を促す。

システムの対応では、パソコン起動時に、メールの一斉送信はBCCで行うよう注意するメッセージの表示を14日に開始。メールの送信操作後、実際の送信を数分遅らせる機能も本年度中に導入する予定で、すぐにミスに気が付いた場合にやり直して対応できるようにする。

今後、メール送信を強制的にBCCで行うシステムの導入なども検討する。

仁坂知事は改めて情報漏えいの発生を陳謝し、再発防止について「心構えと仕組みの両方で対策しないといけない」と話した。

メール誤送信の対処方針を話す仁坂知事

メール誤送信の対処方針を話す仁坂知事