千田さん、池原さんに 大桑文化奨励賞
文化・芸術分野で優れた活動に取り組む人に贈られる、公益財団法人大桑教育文化振興財団(大桑弘嗣理事長)の2022年度大桑文化奨励賞に、和歌山市のピアニスト・千田和美さん(54)と、海南市出身のバイオリニスト・池原衣美さん(50)の2人が決まった。表彰式は22日、和歌山市湊通丁北のホテルアバローム紀の国で行われる。
千田さんは、東京の桐朋学園大学音楽学部を経て、アメリカ・インディアナ大学大学院パフォーマーディプロマコースを修了。ソロ・室内楽でも活躍し、特に伴奏ではスタジオ専属ピアニストとして数々のリサイタルの伴奏を務める。関西フィルハーモニーやクラクフ室内楽団とコンチェルトで協演する他、同じく同奨励賞に輝いたバイオリニストの池原さんとのデュオで、全国各地でコンサート活動や県内の小学校で演奏するなど関西を拠点に幅広く活動している。
後進の指導にも力を入れており、日本クラシック音楽コンクールなどで優秀指導者賞を受賞。各コンクールの審査員や、同志社女子大学学芸部と相愛大学音楽部の各非常勤講師、県立図書館メディア・アート・ホールコーディネーターなどを務めている。
池原さんは、桐朋学園大学を卒業後、ドイツ・ザールブリュッケン音楽大学大学院およびソリストコースを修了。全日本学生音楽コンクール東日本大会高校の部奨励賞を受賞。アメリカ・タングルウッド音楽祭やオーストリア・ザルツブルグ音楽祭に参加。これまでに田井美千代、徳永二男、辰巳明子、ヴァレリー・クリモフの各氏に師事。2000年から日本センチュリー交響楽団で第二バイオリン首席奏者を務めるかたわらソロ・室内楽の演奏活動を行っている。
この他、無形民俗文化財保持団体援助に、糸我得生寺の来迎会式保存会(有田市)と高芝の獅子舞保存会(那智勝浦町)、文化活動援助に、紀伊万葉ネットワーク(村瀬憲夫代表)が選ばれ、学校図書寄贈は10園・校に贈られる。
同財団は㈱オークワの創業者・大桑勇氏が1993年に設立。毎年、大学生や高校スポーツ選手への奨学金給付、学校図書の寄贈など、教育に関わる活動に援助を続けている。