隈研吾さんの新拠点 和歌山市に開設へ

国立競技場の設計などで知られる世界的建築家の隈研吾さん(68)が代表を務める㈱隈研吾建築都市設計事務所(東京都港区)が、関西エリア初の拠点となる新オフィスを和歌山市に開設することが決まり、24日、県庁知事室で進出協定の調印式が行われた。

同事務所は、隈さんが1990年に設立し、国内外で多くの建築計画やデザイン、設計などを手掛けてきた。県とはことし2月、「建築デザインの力による地方創生の実現に資する包括連携協力に関する協定」を締結し、地域づくりや産業振興などに連携して取り組むことになっている。

和歌山オフィスは、北海道、沖縄に続く同事務所の3カ所目の地方拠点となる。同事務所の設計により現在改修中のパーク県信ビル(同市八番丁)2階に入り、来年4月の操業、3年間で正社員5人の雇用を予定している。

調印式では、隈さんと仁坂吉伸知事、尾花正啓市長が進出協定書に署名した。

隈さんは和歌山について、「力強い自然があり、私が関心を持ってきた木が豊かにある。そういうものの近くで仕事をしたいと思っていた」と述べ、新オフィスの開設により「世界と和歌山をつなぐブリッジ(橋)の役割を果たせるのではないか」とし、デザイナーや職人とコラボレーションする拠点にもしていきたいとの思いを語った。

仁坂知事、尾花市長との意見交換では、人々の回遊性を高め、地方都市の発展に資するモデルとなる取り組みが行われることなどに期待が寄せられた。

協定書を手に(左から)仁坂知事、隈さん、尾花市長

協定書を手に(左から)仁坂知事、隈さん、尾花市長