支援の必要性知って 犯罪被害者週間に啓発

犯罪被害者とその家族への支援と理解を呼び掛ける「犯罪被害者週間」(25日~12月1日)が全国で始まった。初日の朝には、県と和歌山市、県警、紀の国被害者支援センターの職員ら約20人が、同市のJR和歌山駅前と南海和歌山市駅前広場で街頭啓発活動を行った。

JR和歌山駅前では、職員らが駅の利用者らに相談窓口の電話番号などが書かれたチラシやポケットティッシュ、カレンダーなど500セットを配布。「犯罪被害者週間です」などと声を掛けながら周知を促した。

同センターは1997年、全国で6番目に設立。県唯一の民間の被害者支援センターとして、2011年に県公安委員会から「犯罪被害者等早期援助団体」に指定された他、今月14日には県警と和歌山弁護士会と共に「犯罪被害者等への支援に関係する協定」を締結している。

同センターでは、被害者支援のプロとして公安委員会の認定を受けた「犯罪被害相談員」の5人を中心に、犯罪被害者やその家族らが一日も早く平穏な暮らしを取り戻せるよう、相談対応や直接支援など、さまざまな活動を行っている。

同センターによると、11年度当時、直接支援を含めた電話や面接での相談件数は274件だったが、公安委員会からの指定を受けたこともあり、以降ほぼ右肩上がりに増加。2020年度には過去最多の765件まで増えたという。

同センターの川﨑力夫事務局長(66)は「犯罪被害者や家族の立場を理解し、支援の必要性と、紀の国被害者支援センターの存在を広く知ってもらいたい」と話し、「支援員は研修を積み、守秘義務も守りますので安心してご相談ください」と呼び掛けている。

この日の午後には、同駅の地下広場「わかちか広場」で同センターと県警の共同による「犯罪被害者週間ふれあいコンサート」を開催。県警音楽隊による演奏や、同センターの活動がパネル展示で紹介された。

同センターは28~30日、広川町役場で県と同町との共催によるパネル展示を開く。交通事故で息子を亡くした母親の被害者手記なども展示されるという。

駅の利用者にグッズを配って啓発

駅の利用者にグッズを配って啓発