県警とジェイコムウエスト 犯罪防止へ協定

犯罪のない安全安心な社会の実現を目指し、和歌山県警と㈱ジェイコムウエストは24日、地域安全に関する協定を締結した。特殊詐欺をはじめとする犯罪の被害防止に向けて、相互に連携して取り組む。

同社はこれまでも地域の安全安心なまちづくりを目指し、J:COMのコミュニティーチャンネルの地域情報番組で県警の防犯イベントや特殊詐欺などの手口、対策などを取り上げてきた。

J:COM PHONEプラスのオプションサービスとして、ことし新たに「迷惑電話自動ブロック」の提供も開始。約3万件の迷惑電話番号のデータベースに基づき、迷惑電話の約97%を自動でブロックできるという。

今回の協定締結により、これまでの取り組みに加えて、営業スタッフが顧客訪問する際に県警が提供したチラシを配布したり、固定電話機を留守番電話に設定したりといった防犯対策の推奨や補助を行う。

また、子どもの安全を守る活動の一環として、営業車両に「きしゅう君の車」のステッカーを掲示。犯罪や不審者に関する情報を入手した際には速やかに通報するなど、より密に連携・協働することで各種犯罪の被害防止に努める。

締結式は和歌山市西汀丁の県書道資料館で行われ、県警本部の髙砂浩之生活安全部長と同社の櫻井俊一代表取締役社長が出席。県警のマスコットキャラクター「きしゅう君」と同社のイメージキャラクター「ざっくぅ」が見守る中、協定書に署名した。

県警によると、特殊詐欺の被害件数は昨年1年間で59件だったのに対し、ことしは10月末時点で80件(前年同期比32件増)と大幅に増加。被害総額も約1億2800万円(同約5100万円増)となっている。

髙砂生活安全部長はこうした県内の治安情勢について「非常に厳しい状況が続いている」と説明。「今回の協定を機に、各種広報や個別訪問した際に特殊詐欺の手口などを広めていただき、それを聞いた人が地域の人に広めていただくなど、裾野を広げていく活動に期待している」と話した。

櫻井代表取締役社長は「さらに県警と深く連携し、ますます巧妙化する特殊詐欺の防止などに貢献していきたい」と意気込んだ。

式終了後、相互の連携を強化するため、同市木ノ本の県警察学校で不審者発見・通報訓練を実施。訓練は、顧客宅に見立てた模擬家屋に男が訪れ、玄関で家人からキャッシュカードを受け取るところを、顧客宅を訪れた同社の営業担当者が目撃したとの想定で行われた。

協定書を手に櫻井代表取締役社長㊨と髙砂生活安全部長

協定書を手に櫻井代表取締役社長㊨と髙砂生活安全部長