近大が県産ソバ栽培 信濃路で限定メニュー
近畿大学付属生石農場(有田川町)とそば・うどんの㈱信濃路(和歌山市)は、同農場が栽培、収穫した蕎ソバの実を使った「近大おいし蕎麦 二八『極み』」(1200円)を24日から販売する。一日限定5食で信濃路本町店とキーノ和歌山市駅店で提供する。期間は約1カ月。
同農場は、生石高原の有田川町側、標高800㍍辺りに約30万平方㍍の広さの農場を持ち、高原野菜などを育てている。
同農場に適した作物は何なのかと試行錯誤し、「ソバは寒い所で作られるイメージがある。和歌山で作ることができたら地元活性化にもつながるのでは」と、標高を生かし、昨年からソバの栽培研究に着手し「信州大(しんしゅうおお)そば」の栽培を始めた。
ソバの栽培は乾燥地が適していることから昨年は種まきをした直後に雨が降ったため、うまく育たなかったという。ことしは栽培地の傾斜や水はけなどを測量し、雨が降っても育つように研究を重ね、課題を克服した。
8月、種実が大きく弾力のある食感が特徴の信州大そばの種をまき「近大おいし蕎麦」と名付けた。10月に同大学付属和歌山中学校の1年生20人と信濃路の社員5人が収穫体験をし、玄そば39・5㌔㌘を収穫した。
同農場技術主任の堀川勇次さんは「来年は台風対策を課題に、2倍の収穫量を目指したい。県産のそばをぜひ食べてみてください」と話す。
このほど信濃路鳴神店で試食会が行われ、同農場関係者らが出席。ソバ粉8割、つなぎ2割の二八ソバ「近大おいし蕎麦 二八『極み』」を食し、「香り高く風味としっかりとしたコシがあり食べ応えも抜群。おすすめしたい」と絶賛した。
信濃路の西平都紀子代表は「地域活性のため和歌山の学校と新しい形でコラボすることは今後も続けたい。子どもらを通じて新しい商品の開発ができれば」と話した。