コンビニで特殊詐欺防止 男子高校生に感謝状
特殊詐欺被害を未然に防いだとして和歌山東署は21日、和歌山市のローソン和歌山鳴神店のアルバイト従業員で、県立和歌山東高校3年生の西峰聖斗(まさと)さん(18)とパート従業員の男性に感謝状を贈った。
西峰さんらによると、11月12日午後2時30分ごろ、60代の女性が来店し、男性従業員に端末機械の使い方を教えてほしいと伝えた。男性従業員は新人クルーだったことから西峰さんが代わって応対。
女性は「プリペイドカード9万円分が必要」と話し、高額だったため不審に思った西峰さんが利用目的を尋ねると「パソコンがウイルスに感染したと画面に表示され、表示された連絡先に電話したら、コンビニでプリペイドカード9万円分を購入するように言われた」と答えた。
西峰さんは特殊詐欺を確信し、「詐欺なので警察署にすぐ相談してください」と伝え、女性はその後、同署に届け出た。
同日、同署で行われた贈呈式には西峰さんが出席。左向伸次署長が「特殊詐欺が多発している中で、阻止していただき本当にありがたい」と伝え、感謝状を手渡した。
西峰さんは高校入学時から約3年間、同店で働いているといい、感謝状を手に「未然に防止できて良かった。すごくうれしい」と笑顔。高校卒業までは同店で働くとし、「高齢のお客さんがプリペイドを買うときは、いろんなことを気に掛けて声掛けをしていきたい」と話した。
同署によると、11月末時点で同署管内の特殊詐欺の認知件数は、昨年の13件よりも大幅に増えて30件。被害総額は約6900万円に上る。うち12件が、今回と同じような架空料金請求詐欺であり、警戒を呼び掛けている。