細畠清一さん死去 92歳、書道文化向上に尽力

和歌山の書写書道教育の発展に尽力した和歌山市の細畠清一(ほそばた・きよかず、雅号=静峰)さんが12月4日、肺炎のため死去した。92歳だった。

細畠さんは湊南尋常小学校(閉校した雄湊小学校)で故・山本興石氏に、桐蔭高校在学時に故・天石東村氏に出会ったことで書に親しみ、研さんを積んだ。県展で特選受賞、日展で連続入選。和歌山家庭裁判所に奉職後も、天石氏の生涯にわたって指導を受けた。

2004年には県と中国山東省の友好20周年を記念した訪中団に参加。中国の著名な書道家と揮毫(きごう)を交わすなど、書を通じた国際交流にも寄与した。また、長きにわたり県展や和歌山市展の書の審査員を務めるなど、後進や書道家の育成に尽力。08年には和歌山市文化功労賞を受賞。県美術家協会副会長、県書道協会会長、県書道資料館理事、青潮書道会参与などを務めた。