世界のサッカー体験 2小学生スペイン遠征

和歌山から世界へ羽ばたいて―。紀の川市のサッカースクール「グランディール」に所属する小学3年生の2人が昨年12月、スペイン・バルセロナに遠征し、10歳以下の国際サッカートーナメントに出場。FCバルセロナやRCDエスパニョールなど、トップリーグの選手らとプレーする貴重な経験を通して自信をつけた2人は、世界の舞台で戦う「サッカー日本代表」を目指して日々練習に励んでいる。

グランディールは元Jリーガーの羽畑公貴さん(39)が2021年1月、「世界に羽ばたく選手を育成したい」と創設。フランス1部リーグの強豪、パリ・サンジェルマン(PSG)下部組織の現役コーチによるトレーニングセッションを開くなど、地元の子どもたちにさまざまな機会を提供している。

初の海外遠征に参加したのは、大林優斗さん(9)=紀の川市=と和田蒼羽(あおば)さん(9)=和歌山市=。親元を離れて海外で過ごす約10日間への不安よりも「スペインの子たちがどれだけできるか見たい」「絶対行きたい」との気持ちが勝った。

実際にスペイン人選手と対戦し、パス回しの正確性や連携のうまさ、フィジカルの強さなどを目の当たりに。「日本とレベルが違った」と振り返る。

また、FCバルセロナの指導者による講義では、同クラブがどのようなサッカーをしているのか、勝つための方法などを聞き、「常に三角形のポジショニングを取ること」「勝っていても負けていても諦めずにずっと同じサッカーを続けること」などを学んだ。

他にも、トップチーム専用のバスに乗車したり、スタジアムを見学したりと満喫。サグラダ・ファミリアなど、バルセロナ観光も楽しんだ。貴重な経験をし、帰国するためにカタールを経由したところ、サッカーワールドカップ(W杯)の熱戦を終えた日本代表チームが同じ機内に居合わせるうれしい偶然にも恵まれた。

大林さんは同大会で2得点をマークした堂安律選手に駆け寄り、スペイン遠征の帰りであることを伝えると、堂安選手は「頑張ってね」とタッチを交わしてくれたという。

海外のレベルにふれ、憧れの日本代表に出会うという貴重な経験が、2人の夢をより明確にし、大きな自信をもたらした。帰国後の試合中、最後まで全力で走り続ける姿を見て、羽畑さんも「自信をつけた」と2人の成長に目を見張る。

大林さんは「クリスティアーノ・ロナウドみたいな選手になりたい」と意気込み、週6日の練習に励む。和田さんは帰国後、食生活を一変。スペイン人選手の筋力のつき方に驚いたことから、菓子類は食べず鶏肉中心の生活を心掛けている。

「南野拓実選手が好きやから、次はフランス遠征に行きたい」と笑顔の和田さんを前に、羽畑さんは「いろんな経験をすることが大切。フランス遠征も行ける。グランディールからチャンスを発信していきたい」と話した。

グランディールではスクール生とチーム生を募集中。詳細はホームページ

ゴールを目指し攻撃する大林さん(グランディール提供)

ゴールを目指し攻撃する大林さん(グランディール提供)

 

中盤でゲームを組み立てる和田さん(グランディール提供)

中盤でゲームを組み立てる和田さん(グランディール提供)